2024年7月低山はいかい

谷川岳の三沢を巡る

(2024724日(水)実施・天候:曇時々微雨

【ルート】群馬県みなかみ町土合の谷川岳ロープウェイ駅から幽ノ沢を往復する約 9キロメートルの国道291号線の旧道コース


実施概要:清水峠越の国道として設置された国道291号線の旧道を歩きながら谷川岳の三沢を巡り、ブナを中心にした豊かな植生や谷川岳の地形・地質にふれるとともに、実質的には廃道となっている清水峠越えの国道設置の苦難の跡を振り返る。


谷川岳の三沢(マチガ沢、一ノ倉沢、幽ノ沢)を歩きました。当初は往路に湯桧曾川の河原を遡る予定でしたが支流となる沢の増水でその渡渉に難があり、下見の結果ロープウェイ駅と幽ノ沢間を往復することにしました。標高800m程度だというのに、なんという涼しさ。酷暑の東京からの暫しの解放です。歩いた道は国道291号線の延長で古くから上州と越後を結ぶ最短ルートとして利用されてきましたが、現在では国道に指定されているものの整備はされず、群馬県側で登山道として使われているに過ぎません。植物観察にはもってこいの場所でした。

 

道沿いの急斜面には見事なブナの大木群。若木も多く見られ、健全に更新しているようです。サワグルミ、トチノキ、ウダイカンバ、シナノキ、ミズナラなどが多く、根際や枝振りの曲がりくねりは、積雪を生き抜く強さを感じさせます。

日本海要素と言われるオオバクロモジ、エゾユズリハ、エゾアジサイ、オオカニコウモリなどを観察。2mを超えるオオイタドリや特大のアブラチャンの実に驚く。ホツツジは咲き始め、その名の通り草本で互生のクサアジサイ、二色効果が見られるクロイチゴにクマイチゴ、クルマバハグマ、オオツリバナ、ヨツバヒヨドリ、オオナルコユリ、トリアシショウマと枚挙に暇がありません。

 

コースの節目ごとには、絶景の三沢が眼前に現れ、比高数百から千メートルに達する絶壁に圧倒されます。若い頃毎週登っていたという方から、はじめてという方まで、参加者の思いはそれぞれでした。それにしても、この雄大なスケールの前ではなんとも謙虚な気分にさせられます。雷雨を警戒して帰路は急ぎ足で。バス停到着直後に案の定土砂降りです。幸運も重なる良い一日でした。(写真:上段 一ノ倉沢の万年雪を背景に。下段:鬱蒼としたブナ林、サワグルミ、ミズナラ、ウダイカンバなどが混生する。)


参加者:15名 飯塚(幹事)、氏家、小野、小菅、鈴木(幸)、鳥崎、中林(報告)、長岡、平野、福重、藤岡、福山、古谷、丸山、森  (スタッフ:飯塚、福重、鈴木)



ご参考:谷川岳の三沢