高尾森林ふれあい推進センター 森林ふれあい推進事業
「風薫る景信山・小仏城山を訪ねて相模湖へ」

2024523日(木)
開催場所:景信山、小仏城山、相模湖


概要:初夏の森林の芳しい風景を友に自然観察をしながら、歴史ある登山道を辿る。 


「風薫る」は初夏の季語。青葉が茂る木々の間を、花の香りを乗せた爽やかな風が吹き抜ける。マルバウツギの白のトンネルをくぐり、見あげればエゴノキの清楚な花とこんにちは。ウツギの甘い香りに誘われてモンキアゲハが空を舞い、ウリノキは花びらを大胆に巻き上げて美脚を披露する。

 

江戸のころ、参勤交代の大名や富士講の人々、商人や飛脚もこんな風情を楽しんだに違いない。峠道を行き交う人々の姿に思いを馳せ、路傍の地蔵像に目を移すと、何やら自分たちも旅人になった気分になってくる。

 

高尾山は太古の昔は海の底にあり、大陸からの土砂が堆積したものが地殻変動で隆起、地表に出たものである。その後、丹沢の衝突と伊豆半島の追突により地層が大きく捻じ曲げられたそうだ。そんな小仏層群を目にできるのも魅力だ。

 

甲州古道の裏道としての面影が残る東海自然歩道を相模湖へ下ると、桂川渓谷にかかる弁天橋が見えてくる。風光明媚である。さすが神奈川の橋100選である。お客様からも「あら美しい!」との声が上がる。

 

終盤には、サクソフォンに似たウマノスズクサの花、風車に似たテイカカズラの花、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」の大波のようなオカタツナミソウの花、武将が使った采配に似るサイハイランの花にお目にかかれた。

 

風薫る高尾の山々を辿り、咲き誇る初夏の花を愛で、歴史や文化を感じる、累積標高700m、歩行距離12kmのロングトレッキング、お客様にはおおいに満足していただけたと思う。


【参加者】21名

【スタッフ】主幹事:葛西宗紀(報告)  副幹事:飯塚義則  班長:葛西宗紀、飯塚義則、丸山正、丹野修、福山容子  アシスト:古谷一祐、早川一二


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